今回はシンセサイザーについてご紹介させていただきます。
シンセサイザーとは?
そもそもシンセサイザーとはいったいどういった楽器なのでしょうか?
簡単に言えば「ピー」とか「ブー」といった電子音を使用して音を合成する事のできる楽器です。
つまり、ピアノやギターといった音色の決まった通常の楽器とは違い、様々な音色を合成し作り出す事のできる楽器なのが特徴です。
そしてこの音色を”合成する”事を英語で”synthesize(シンセサイズ)”と言うことから、一般的にsynthesizer(シンセサイザー)と呼ばれます。
シンセサイザーの仕組み
ではシンセサイザーはどうやって様々な音色を出しているのでしょうか?
現代において最もポピュラーだと考えられ、また多くのシンセサイザーの基本となっているアナログシンセサイザーの仕組みを例に挙げてみましょう。
◆VCO – ボルテージ・コントロールド・オシレーター
– 合成する音色の基本となる波形を生成する発振器で、単にオシレーター(OSC)等と呼称する場合もある。
– またピッチ(音程)を任意に制御することもできる。
-VCOでは下記の4波形(※1)(※2)から選択する場合が多い。
・Saw/ノコギリ波
–ブーといった粒の荒い音色が特徴。・Square/矩形波
–ギーといったやや粒の細かい音色が特徴。・Triangle/三角波
–ツーといったやや艶やかな音色が特徴。・Sine/正弦波
–ピーといったいかにも電子的な音色が特徴。
(※1:機種によっては上記に加えてPWM(パルス・ワイズ・モジュレーション)あるいはPW(パルス・ワイズ)等といった制御装置によりSquare/矩形波の波形幅を変化させる事も可能)
(※2:機種によってはSuper Saw/スーパーソーといった波形も選択可能)
◆VCF – ボルテージ・コントロールド・フィルター
– VCOで生成した波形に特定のフィルターを通し音を加工する装置。
-VCFでは一般的に下記のようなフィルターが搭載されている場合が多い。
・Low-pass filter(LPF)/ローパスフィルター
-音の低帯域のみ除去させる事のできるフィルター。
・High-pass filter(HPF)/ハイパスフィルター
-音の高帯域のみ除去させる事のできるフィルター。
・Band-pass filter(BPF)/バンドパスフィルター(※3)
-任意の帯域のみを通過させることのできるフィルター。
(※3:未搭載の機種も多いが、複数のフィルターや回路の選択が可能であればLPFとHPFを組み合わせる事により再現が可能)
◆VCA – ボルテージ・コントロールド・アンプリファイアー
– 音色の音量を制御する装置。
Envelope Generator(エンベロープ・ジェネレーター)
– VCAを時間的に制御して音の発音にかかる時間や減衰する時間等を変化できる。
– 特殊な製品を除き下記の4要素(※4)の値を制御できる物が一般的。
・ Attack/アタック
– 発音にかかる時間(立ち上がり)。・ Decay/ディケイ
– 音の減衰にかかる時間。・ Sustain/サスティン
– Decayにより減衰した後の音の持続量。・ Release/リリース
– 音の末尾に残る余韻音の時間。
(※4:上記の4要素の他にHold/ホールドといった5つ目の値の制御が可能なシンセサイザーも存在する)
これらの頭文字をとってADSRと呼ぶ事も多い。
LFO – ロー・フリーケンシー・オシレーター
– 非常に低い周波数を発生させ、任意の制御回路に送る事により、音の揺らぎ等の様々な変化を与える事ができる装置。
LFOを用いた音色の変化として最も一般的なのがビブラート効果です。
VCOのピッチ(音程)をLFOで周期的に変化させ、ビブラート効果を加える事が可能です。
LFOの周期幅や信号の量をキーボードのモジュレーションで制御すれば、実際の演奏時にも楽にビブラート操作ができるので、初めからそのように設定がされている機種も多いです。
いかがでしたか?
今回はアナログシンセサイザーの仕組みについてご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
皆様の音楽ライフにお役に立てることができれば幸いです。
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